虚血性心疾患・その1

 心筋を栄養する冠動脈が、何らかの障害により血液を十分に送ることができなくなると、心筋は酸素欠乏に陥り、虚血症状を呈する。
 虚血性心疾患(IHD)は、一過性の心筋虚血である狭心症と、心筋壊死を伴う心筋虚血である心筋梗塞に大別される。

○狭心症―安定狭心症(労作性狭心症)<一定の労作で狭心症発作を起こすもの>
     不安定性狭心症(安静時心筋症・異型狭心症など)<心筋梗塞や突然死に至る可能性のある狭心症>
     無症候性心筋虚血発作<狭心痛などの症状のない心筋虚血>

○心筋梗塞―急性心筋梗塞<冠動脈の閉塞により心筋が壊死するもの>
      陳旧性心筋梗塞<梗塞を起こした心筋が繊維化したもの>

○心臓カテーテル検査と血管造影法
 心臓カテーテルの検査と血管造影は、虚血性心疾患の診断・治療法の決定に不可欠である。カテーテルの挿入法は穿刺法と切開法があるが、穿刺法で大腿動脈または上腕動脈からアプローチすることが多い。

1.労作性狭心症
 動脈硬化により、冠動脈内部が狭くなることが原因である。高血圧、糖尿病、コレステロール代謝異常症、喫煙、肥満、家族歴などが危険因子である。
 労作(運動・動作)時に、冠動脈の一部で血流が傷害され、心筋酸素需要が増加すると、必要量を供給できなくなり心筋虚血が生じる。
 狭窄が冠動脈内径の50%以上になると、安静時は問題ないが、労作時に酸素不足が生じる。よって内径50%以上の狭窄を有意狭窄という。
 ある一定の労作強度で胸痛・前胸部絞扼感(締めつけられるような苦しさ)を生じる。労作の中断・安静によって、症状は3~5分で改善する。胸痛の発生箇所は前胸部の広い範囲で感じられることが多い。胸痛は左肩から左上肢、首から喉頭部などに拡散する(放散痛という)。
 検査・診断は運動負荷テスト(マスター2段階法・トレッドミル法・エルゴメーター法)や、核医学検査や、冠動脈造影検査をして、狭窄の部位・程度を調べ、治療方針を決定する。
【治療法】
 薬物療法としては発作時には硝酸薬(ニトログリセリン舌下錠・舌の下に入れて舌の粘膜や口腔粘膜からすばやく薬を吸収させる。2分以内に溶け、数分で薬効が現れる)を投与する。
 虚血予防には硝酸薬、β遮断薬、Ca拮抗薬などを処方する。
 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)<カテーテルを用いた冠動脈治療法である。バルン、ステント留置、薬物を組み合わせたバリエーションがある>
 冠動脈バイパス術(CABG)<多枝病変や左冠動脈主幹部病変などがある時に処置する。大動脈と狭窄部位の遠位を血管移植によってつなぎ、血行を再建する。

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