激しく降る雨の朝

死んだように今まで眠っていた

夢の中では試験を受けている

もちろん落第点

がっかりしながら

友だちと慰め合い

捲土重来臥薪嘗胆

たぶん満点に近い点をとっただろう秀才に

いつかまたどこかで会おうと

結果が出る前から

もう将来の行く末が決まったかのように

たぶん秀才とは二度と会えない

これから生きてゆく世界が変わってしまい

もう死ぬまでおたがいに忘れているだろう

ただ死に際にふと思い出すかもしれない

あんなやつがいた

あまり話もしなかったけれど

同じ学校を受験して

あいつは落ちたらしい

あまり目立たなくて

成績も悪くはなかったが

ちょっと身の程知らずに偏差値の高い進学校を受け

その後どうなったか

あれから何十年もたって

酸素マスクをした自分の脳裏に

ふと思い出した

こちらを怨めしそうに見ていたいやな視線

たぶん秀才は病院のベッドの上で

呼吸が停止してから

すべての臓器が運動をやめる直前まで

そのいやな視線を思い出し

最期には苦悶の表情を浮かべながら死んでゆくのだろう



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