帰りたくない日

やることなすこと徒労におぼえ

気力もことばもなにも出ない

前から何か

知り合いの笑顔

抱き寄せ笑い合う親子

チキンを買う列に並びながら

思わず顔を伏せる

今日はケーキもチキンも食べたくない

一人で暗い映画館の椅子で

まどろみながら

ただ無になること

存在を消し去ること

なにも考えないこと

夜中で一人

冷えた体を

寒気に閉じこめること

やわらかいものが

身体を包みはじめ

やがて繭に

人知れず

意味を失い

あがなう罪も

なかったことに

いまだれもいない

繭は凍りついて

百年はとけることもない

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