虚血性心疾患・その4

4.急性心筋梗塞
【誘因・原因】
 発症以前に、冠動脈にアテローム(粥状)動脈硬化が存在する。冠動脈硬化部位においてアテローム(粥腫:プラーク)に亀裂が入り、そこに血栓が形成されて発症する。粥腫は、冠動脈の血管の内膜にコレステロールや脂肪などの物質と血中にあるマクロファージといわれる物質が沈着したものである。
 血栓によって冠動脈が突然に閉塞するために、その灌流域の心筋が虚血し、さらに壊死に至る。アテローム(粥腫:プラーク)の崩壊の重要な要因は冠攣縮であるといわれている。高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙、肥満、高尿酸血症などは動脈硬化の危険因子である。

【病態】
 不安定狭心症、急性心筋梗塞、突然死は、アテローム(プラーク)破綻・血栓による冠動脈閉塞という一連の病態であることから、まとめて急性冠症候群と呼ばれる。 
 虚血状態になった心筋は、心内膜から心外膜に向かって徐々に壊死する。
 心筋梗塞は主に左室心筋に生じる。下壁梗塞では右室や心房にも起こる。
 心室細動、心不全、ショック、心破裂などにより30~40%が突然死する。

【症状・臨床所見】
 約半数の症例で発症前1ヶ月以内に狭心症症状が見られる。
 突然、胸が締めつけられるような激痛が生じ、30分以上持続する。
 しばしば左肩、左腕、背中、頸部に放散痛を伴う。
 冷や汗、悪心・嘔吐、腹痛などの胃腸症状を呈することもあり、前壁梗塞より下壁梗塞に多い。
 聴診でⅠ音減弱、Ⅱ音・Ⅳ音を聴取(胸骨左縁から心尖部)。
 ニトログリセリンは無効、モルヒネで痛み軽減。

【検査・診断・分類】
 心電図検査:T波増高(直後)、ST上昇・異常Q波(6~12時間後)。
 血液検査:心筋逸脱酵素(WBC、CK、LHD、トロポニンTなど)の上昇。
 冠動脈造影:閉塞部位の特定と末梢血液の評価。

【治療】
 一般的治療:苦痛の緩和(モルヒネなど)、アスピリン、安静、静脈路の確保、酸素吸入。
 再灌流療法:血栓溶解療法(IVT、ICT)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、冠動脈バイパス術(CABG)。

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