愛すれどまた

幾年か過ぎていった

泪も流した

夢も語り明かした

それでもふたたびまた逢えたら

勇気をもって言えると思う

長い沈黙のあとで

ため息まじりのきみの横顔に

人生の道のりのつらさを

苦しさをやるせなさを

ぼくは飲みこむように

コーヒーカップに口をつけた

笑顔は今でも目の奥に残っている

そのとんがったくちびるの

ぼくをからかうような感じも

胸の奥に残っている

それが子供をつれていたきみの

最後の印象かもしれない

きみの子供はすぐに走りはじめて

どこか自分の好きな方向に行ってしまいそうで

ぼくは思わず追いかけて

つかまえようとしたけれども

きみはその道を知っているかのように

いつも泰然自若としていた

ぼくたちに流れる時間と空間は

すべてのこの世の流れとはかけ離れて

しあわせではなかったけれども

不思議な満足感にあふれていた

それが手のなかであっという間に消えてゆく

春の雪のようにせつないものだとしても

また夢のなかで

愛すれど

遠くで鳴る雷のように

遠ざかる春を聞いていた


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