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「グラスホッパー」伊坂幸太郎著を読み

自殺させ屋とは 依頼人にこいつを自殺させてくれと言われたら その個人をたとえばホテルの個室に呼んで 自殺するように誘導する 魔術師のように催眠術のように この世で生きられぬとこころに暗黒の風が吹きぬけると 彼は彼女は遺書を書いた後で 首を吊る または飛び降りる ほんとうの自殺のように…
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方向音痴

 久しぶりに晴れ渡る空を見上げて、彼はふとため息をついた。  仕事に就くたびに、トラブルに巻き込まれた。  彼女にもふられた。最後に勤めていた会社は倒産し、給料も貰えなかった。  サイフの中は埃しかなかった。空を見上げても、どうしようもなかった。自分ではどうにもならないことばかりなのか。彼は口から小さなものを吐き出していた。  …
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希代のワル

 常識にかからないのはいわゆる詐欺師である。はじめからわたしを騙すつもりだった。ただ、その騙し方が卑劣この上なかったのである。  彼女と出会ったのはあるスナックだった。わたしは別の女性と一緒にその店に来ていたが、彼女は一人でカウンター席で飲んでいた。いわゆる馴染みのようで、時にはヘルプで店に入っているのかもしれないと思った。  …
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女の闘い

 前の職場で、一見仲が良さそうな女子職員がいた。たまたま同じ部課で女性はふたりだけだったので(以前は3人だったが、ひとりは転勤してしまった)、休憩時間や帰りの時間など、よくふたりで仲良く話している姿をよく見かけた。  「泪のしずくさん、彼女おかしいんですよ」  「はあ?」  急に小柄で童顔のまだ高校生と間違われそうな子の方から、わ…
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咥えた女

 学生の頃は比較的まじめな方で、授業もサボらないでまじめに出席していた。友だちには九州男児の勢いの良いやつがいて、映画を観たり、ジャズ喫茶に行ったり、他の大学の学園祭で女性と話し込んだり、なんでも見てやろう行ってやろうという積極的な行動につき合わされているような状態だった。  そんなある日、九州男児の彼が変わった。急に無口になり、考え…
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図書館で

 雨の日は必ず図書館に行った。職場から歩いて5分。よく昼食の休憩時間を利用して、図書館の中を探索していた。  その日も朝から雨だった。仕事が忙しく休憩もろくに取れずに、昼食も時間がずれてしまった。図書館の4階に軽食道があり、カレーライスやラーメンなどのメニューが用意されていた。わたしはいつもすぐに食べられるカレーライスを喉にかっ込むと…
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悪霊

 その人のまわりにはいつも険悪な空気が流れている。  彼はここの施設の管理者であるが、一方で悪霊で人々を傷つけている。  彼を信頼していた人たちも、彼の本性を知り、やがてみんな去っていった。去り際には、きつい仕打ちを受けた人もいた。こころをずたずたに引き裂かれた人もいた。  彼は自分のことになるとまわりが見えなくなる。自分の体面を…
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緘口令

 今朝から職場の様子がおかしかった。しばらくすると、なにやらひそひそ話をする人たちがあちらこちらに見受けられる。なにか事故か事件か。たぶん職場の中で起こったことにちがいない。  インターネットにつながったパソコンを見ているうちに、あるひとつの情報が目に入った。    ある郵便局で配達先のマンションから飛び降りて自殺した職員がいる模…
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